ES-1000 とは

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97/12/29 更新

デジタルカメラチノン ES-1000 の特徴は

です。以下ではこれらの点を中心に解説します。

重量・寸法

ES-1000 は
寸法
100×30×60mm
本体重量
110g
と非常にコンパクトかつ軽量です。
また、多くのデジタルカメラが単三電池を何本も使うのに対して、ES-1000 は CR123 という 16g のリチウム電池一本で動くので、電池込みでも使いきりカ メラ並の軽さです。

価格

定価 39,800円、1997 年はじめには実売 1万円台で売っていましたが、今では ほとんど売っている店を見かけません。DC-20 はときど き在庫処分で 1万円以下で売られています。

画質

カタログによると ES-1000 の解像度はファインモードで 493×373 ピクセル と、値段の割に高くなっています。実際絵は非常にきれいで、雑誌の比較記事 などでも同価格帯の機種を上回るだけでなく、640×480 の機種に迫る画質と 評価されることが多いです。
しかし、ハードウェア的には ES-1000 から PC や Mac に転送されてくるデー タはファインモードで 493×373 ではなく 512×243 ピクセル (1ピクセルは 8ビット) のようです。付属ソフトではこのうち上下左右の無効な数ピクセル を取り除いた 493×240 ピクセルを縦方向に補間して 493×373 ピクセルに変 換しているものと思われます。このような補間を行なっても画質がいいのは、 他のほとんどのデジタルカメラのように JPEG 圧縮をせず、CCD の生データを ほとんどそのまま PC/Mac に転送して画像処理をしているためのようです。

記録枚数

という記録枚数はやはり少ないです。
オプションで小さくて軽いメモリカードホルダがありますが、ATA フォーマッ トのフラッシュカードが使えないのが不便です (AIMS というデジタルカメラ 用のカードしか使えません)。ノート PC などを持ち歩いている人なら取った 写真をその場で転送してしまえば済みますが、付属ソフトは Windows 3.1・95 や Mac でしか動きません。持ち歩くのに便利な HP200LX で使えるといいので すが。

……と不便に思っている方には、 伊藤栄一郎さん作の LXDCというソフトが お薦めです。こちらのページで詳しく紹介します。

また、DOS コマンドラインで動くツールとして 中村高弘さん作の MCH というツールもあります。


光学的スペック

フラッシュはありませんが、居酒屋などかなり暗い場所でも結構写ります (色 が多少化けることはあります)。フラッシュが必要な場合は DC-20 用のフラッシュ キットが使えるかもしれません (未確認)。

ピントはオートフォーカスではなく 0.5m〜∞のパンフォーカスです。実際に は 30cm くらいまで近付いても大丈夫なようです。

ファインダは液晶ディスプレイではなく光学式ファインダで、かなり視差があ ります。2m を切る距離のものを取る場合は意識して構図をずらす必要があり ます。


操作性

操作は極端にシンプルです。ボタンは の三つしかありません。ボタンの形は工夫されているので、間違って押すこと はまずないと思います。

表示も

という 3 つの LED があるだけです。残り枚数を Memory Full の点滅回数で 表すのはわかりにくいと雑誌の記事などでは評価されていますが、私はすぐに 慣れました。

DC-20 との違い

ES-1000 とコダックの DC-20 とはカタログスペックはまったく同じですし、 外見も色やロゴしか違いません。今のところわかっているのは、通信プロトコ ル上で製品 ID と思われるコードが違うという程度で、ファームウェアも含め てハードの互換性は非常に高いようです。

ただし、付属ソフトにはかなり差があります。ES-1000 の付属ソフトでは CMT という形式で ES-1000 から転送した生データをファイルに格納することがで きます。それを後から読み込んで他の形式に変換することもできます。CMT 形 式のデータは 122KB とかなり小さいので、非圧縮のままで保存しておきたい という人には便利です。
DC-20 の付属ソフトにはそのような機能はないようですが、カード・カレンダ 作成ソフトやスライドショーを行なうソフトがついています。

なお、チノンがオンライン配布している 付属ソフト は以前のバージョンでは伊藤さんの DC-20 解析日記にも あるとおり DC-20 でも動いたようですが、残念ながら現在配布されているも のは DC-20 では動かないというレポートを複数いただいています。


電源


CR123 と十円玉
ES-1000 で使う CR123 (または DL123A) というリチウム電池は前述のように 軽いですし、カメラ用の一般的な電池なので入手は容易です。これ一本で 100 枚前後の撮影と転送ができます。ただし、実売価格が500〜800円とやや高いの が欠点です。私が見つけた中では御徒町の多慶屋の税込 480円というのが最 安値でした。ヨドバシカメラの 4 個税込 1,980円 (1 個だと 600円) や秋葉 原ラジオデパートの エフ商会の税別 490円というのも安い方です。
オプションで AC アダプタがありますが、これも定価 4,500円と高めです。じゃ あ安い AC アダプタとコネクタを買ってきて半田づけしよう、ということにな りますが、ES-1000 には AC アダプタをつけるジャックはありません。なんと 電池を外してそこへ電池型のコネクタを介して AC アダプタをつなぐ構造になっ ています。素直に CR123 で使うのがよさそうです。

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このページの写真は富士写真フィルム DS-7 で撮影しました (ES-1000 を二台 持っているわけではないので :-))。
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