お祭りのようだった世の中が ゆっくりとおちついてきた あのころのこと 文明の崩壊をテーマとしたマンガ・アニメは無数にあるが、 これほどまでに甘美な終焉を描いた作品を筆者は寡聞にして知らない。 「まだ」あったかいコンクリートにすわって 近代建築を代表する素材であるコンクリートが まだ完全には終わっていない近代のレートモダン期にわれわれが けっして座り心地が悪いわけではないその場所に座って、 われわれは何をして時間を費せばいいのだろうか。 ロボット ミノル・ヤマサキ 二つの倒壊 プルーイット・アイゴー WTC ヨコハマへの買い出しとは、コーヒー豆がまだ流通していること、 すなわちまだ近代が終わっていないことを確認するための旅である。 日本にとっての近代の始まりを象徴するヨコハマ 横須賀 アメリカ 沈黙 コーヒー 青い灯 街灯の木 白い人型キノコ コンクリートが冷えきったあと、つまり 近代に続く時代が何であるかをいまだ知らないわれわれにとって、 今できることは 「人の夜が やすらかな時代で ありますように」 と祈ることだけなのだろうか。 見て、歩き、よろこぶ者 「今そばにあるものをちゃんと見る」