富士見町生活録: ケーブル TV インターネット篇

 DSL が NorthPoint 倒産で切れてしまったので代わりに使えるサービスを探していたのですが、 DSL は安くてよさそうなところがなかなか見つかりません。 工事に時間がかかるという話も聞きます。いっそのこと DSL と並んでよく使われているケーブル TV インターネットを後学のために試してみるのもいいかなと思って加入しました。
 半年間問題なく動いていたあとにいったん倒産がらみで止まったりはしましたが、今は復旧しています。

1. AT&T@Home

 私のアパートで引けるケーブル TV インターネットサービスは AT&T Broadband がやっているサービスだけのようです。サービス名は資料によって AT&T@Home と書いてあるものと AT&T High-Speed Cable Internet となっているものとがありますが、以下の記述では短い方の AT&T@Home に統一します。
 AT&T Broadband のケーブル TV にはすでに加入しているんですが、 インターネットサービスの契約や支払はそれとは別に行なわなければならないようです (さすが大企業……)。
 料金は、当時やっていたキャンペーンで通常工事無料、はじめの 3ヵ月が $19.95/月、以降 $39.95/月です。$39.95/月というのは Telocity や PacBell の DSL の値上げ前の値段といっしょで、今では最安値だと思います。 ケーブルモデムをレンタルせずに自前のを使うとさらに $29.95/月に下がりますが、 モデムは $200 くらいするようなので素直にレンタルすることにしました。なお 6月からは $45.95 に値上げになっています。

 2001/4/21 に AT&T Broadband の web で申し込んでみました。web 上で工事日程まで決められるのが便利です。 一番早い日時で 5/9 15-17時というのは思ったよりは先ですが、 まあ我慢できる範囲なのでその日時で申し込みました。

2. 工事

 5/9 の工事で無事つながりました。

 15-17 時の間という web での指定通り、15:30 に工事の人が来ました (数日前に留守電に確認の電話も入っていました)。計算機は寝室に置いてありますが、 そこへは (電話線は来ていても) ケーブル TV の同軸ケーブルは来ていないので、TV のある居間につないでもらうことにします。
スプリッター  まずアパートの脇にあるケーブル TV の配線ボックスで接続をし、TV につながっていたケーブル TV の同軸ケーブルをはずし、間に分配器を入れます。 片方はフィルタ経由で TV につなぎ、もう一方はケーブルモデムにつなぎます。
ケーブルモデム背面 ケーブルモデム  ケーブルモデムは RCA/Thomson の DCM235 という機種で、10BaseT/100BaseTX と USB がついています。
 しばらくはモデムの点滅が続いてうまくつながらない様子でしたが、 いろいろ調整をしてつながるようになったようです。合計 1時間弱。

 居間から寝室までは Category 5 ケーブルをカーペットの下に這わせました。 カーペットもその下のクッションもわりと分厚いので、あまり膨らみは目立ちません。

3. 設定

 早速試してみたところ、Win2000 でも Linux でも DHCP での IP アドレス取得がうまくいきませんでしたが、静的設定 (各種 IP アドレスを書いた紙をくれます) で動きました。Windows・Mac 用専用ソフトの CD-ROM をくれますが、とくにこれを使って初期設定をしなくても IP 的には使えるようです。
 その後人から聞いた情報によると、日本の J-COM などを含めて、@Home 系の ケーブル TV インターネットでは DHCP のホスト名としてプロバイダが指定した名前をつけないと DHCP での接続ができないとのことです。実際、もらった紙に書いてあった c1602163-a といった名前 (IP アドレスを DNS で逆引きしたときのホスト名もこれと同じです) をつけると、ちゃんと DHCP が取得できました。

4. 速度

 dslreports の速度テストツールで測ったところ、downlink 3629kbps uplink 114kbps となりました。web で試すと、URL を指定してからしばらく間がありますが、 いったん転送が始まると速いような気がします。非対称リンクのために TCP のウィンドウがなかなか広がらないんでしょうか。

5. 倒産によるサービス停止と復旧

 今度は @Home のバックボーンを運営している At Home 社が 2001/9/28 に Chapter 11 申請してしまいました。
 その後しばらくは動いていたのですが、12/1 朝にとうとう接続が切れてしまいました。 モデムは電源 LED のみが点滅している状態で、 データリンクレベルで切れたようです。
 AT&T Broadband から停止直前にかかってきた自動応答の電話によると、 とのことでした。
 12/3 朝にはデータリンク的にはつながって DHCP でアドレスが取れるようにはなりましたが、DHCP でもらった DNS サーバも含めて、上流のホストにつながらない状態でした。
 12/4 朝までには外部のホストへつながって DNS も引けるようになりました。 3日弱で移行完了ということになります。

6. 移行による変更

 移行後は IP アドレスが動的割当に変更になったほか、DHCP 時に c1602163-a のような特定のホスト名をつけなくてもよくなったようです。

 速度を dslreports の速度テストツールで測りなおしたところ、downlink 1098kbps uplink 122kbps となりました。下りが 1.5Mbps に制限されるようになったというアナウンスはありましたが、 それ以上に下がっているようです。一時的な混雑ならいいんですが。

7. Comcast への売却

 といってももう帰国しちゃったんで個人的には関係ないんですが……
 AT&T Broadband の Comcast への売却が 2002/11 に完了したようです。これの影響はあったのかなあ。
YOSHIDA Hideki
Last modified: Wed Nov 20 23:15:01 JST 2002